先天性魚鱗癬紅皮症という難病があります。
初めて耳にする方もいらっしゃるかも知れません。
発症する確率は極めて低い難病ですが、日本人でも、この病気の出生例があるのです。
先天性魚鱗癬紅皮症について、新生児期と赤ちゃんの症状、後天性であるのかどうかを今回の記事でまとめてみます。
Contents
先天性魚鱗癬紅皮症はなんていう読み方?
まずは読み方を確認しましょう。
先天性魚鱗癬紅皮症は、
せんてんせいぎょりんせんこうひしょう
と読みます。
若干早口言葉のような感じですが、厚生労働省によって指定されている難病の一つなんです。
先天性魚鱗癬紅皮症はどんな病気なのか?
先天性魚鱗癬紅皮症は、先天的に皮膚の機能に障害があることで皮膚が全身赤くなり、皮膚が魚の鱗のようになったり、サメの肌のようになる病気です。
約200,000人に一人の割合で起こると言われ、日本人では、患者が男の子・女の子合わせて200人程度、男の子・女の子それぞれ同じくらいの数の患者がいるとされています。
先天性魚鱗癬紅皮症の原因は?
先天性魚鱗癬紅皮症は、ある遺伝子に異常が起きることで、皮膚が正常な状態ではなくなるために発症すると考えられています。
先天的な難病であり、後天性ではありませんが、両親のどちらかがこの病気である場合、1/2の確率で赤ちゃんに遺伝するとも言われています。
先天性魚鱗癬紅皮症の症状は?
先天性魚鱗癬紅皮症の症状は、新生児期にはやけどのような症状が現われて全身の皮膚が赤くただれ、全身の皮膚が魚の鱗のようになり、赤ちゃんの頃には瞼や唇が反り、手のひら、足の裏の皮膚が分厚くなる症状が見られます。
生まれた時には、生後2週間の新生児期には目を開けることすらできません。
それに加えて、先天性魚鱗癬紅皮症は合併症を併発しやすい症状が見られ、ウイルスや細菌に感染しやすくなります。
合併症が重症化すると、死に至るというとても恐ろしい病気なのです。
感染症にかかるリスクを避けるため、生後2か月の赤ちゃんが集中治療室で過ごさなければならず、何ともいたたまれません。
基本的には症状が出てしてしまうと一生完治しないと言われる点でも、難病であることがわかります。
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先天性魚鱗癬紅皮症の治療法は?
先天性魚鱗癬紅皮症は、現時点では予防する方法も特効薬も全くありません。
そこで、症状を緩和する治療を行うしかないのが現状で、以下の方法がとられています。
皮膚が硬くならないように処置をする
皮膚が硬くならないように1日2回入浴させたり、保湿クリームを全身に塗ります。
点滴を行う場合がある
この病気にかかった患者は、健常人よりも体温の調整が難しい状態になっています。
夏など暑い環境では体温が急激に上昇するなど脱水症状を起こしやすくなるのです。
その脱水症状を防ぐために点滴を行うわけなんですね。
栄養剤を補給する
先天性魚鱗癬紅皮症は、手足の皮膚が厚くなると歩行困難に陥り、また姿勢が悪くなって身長が伸びなかったり、体重が増加しにくくなったりします。このような症状を緩和するために栄養剤を補給することになります。
尚、日本人ではABCA12という遺伝子の変異が原因となる事が一番多いのですが、その遺伝子に対して治療効果を発揮する薬剤の研究が進んでいます。
まとめ
先天性魚鱗癬紅皮症は、日本人の発症例は「極少」と言えるほど確率は低く、予防する方法も特効薬もないというのはとても厄介な難病です。
後天性ではない上に伝染することはありませんが、全身が赤くただれ、鱗のような皮膚は外見が外見なので、新生児期はともかく、赤ちゃんの頃を過ぎてそのまま幼児になってしまうと、生まれてきた赤ちゃんのせいではないのに、悲しいことに偏見や差別を引き起こしてしまうのも現状です。
予防する方法も特効薬もないとお伝えしましたが、DNAの診断によって出生前診断は可能なところまでは発達しているようです。
早めに判明した時点で、治療を適切に行うことが現状では最良の手段でありますが、前の項で述べた効果的な薬剤の研究が一刻も早く実を結んで、この病気から多くの人が解放される日が早く訪れることが期待されます。
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