双子や三つ子を妊娠することを「多胎妊娠」と言いますが、日本での出生率(※合計特殊出生率=一人の女性が一生涯に生むこどもの平均の数)は昔と比べて大幅に低下しています。
日本では、三つ子が生まれる確率はどれくらいなのでしょうか?また、一卵性の三つ子が生まれる確率や自然妊娠と不妊治療では異なるのかなども気になります。
この記事で詳細に見ていきましょう。
三つ子を妊娠する確率は?
三つ子が珍しいことはわかると思いますが、どのくらいなのかはよくわからないですよね?
そこでまずは、双子の場合を見てみましょう。
双子を妊娠する確率は、自然妊娠の場合だいたい100分の1と言われています。
それが、三つ子を自然妊娠する確率はなんと6,400分の1に!
かなり低くなんですね。
例えが適切ではないかも知れませんが、ジャンボ宝くじで1等に当選する確率(1,000万分の1)に比べれば高いものの、かなり低い確率です。
人種によって確率は違ってきますが、日本でも世界的にみてもかなり希な例だということがわかります。
一卵性の三つ子の妊娠確率は天文学的数字の確率⁉
一卵性の三つ子とは、簡単に言うと一つの受精卵から三つ子が誕生することです。
一卵性の三つ子を妊娠する確率は、人種によって違いがありますが、単に三つ子を自然妊娠する場合より更に低くなって、日本では何と18,000分の1という「天文学的」に近い確率!
数字だけ聞いても、すぐには想像もつきませんですが、実際に日本で一卵性の三つ子の妊娠例があるのです。驚きですね!
不妊治療での結果授かった三つ子であり、40歳を過ぎてからめでたく妊娠することが出来たそうですよ。
三つ子 不妊治療との関係は?
厚生労働省調べ 「不妊治療をめぐる現状」
先の合計特殊出生率ですが、2005(平成17年)に最低の1.26まで減少し、2011年には1.39、2012年には一世帯で1.41まで回復傾向にあるものの、第2次ベビーブームの1971(昭和46)~1974(昭和49)年の時期の2.14に比べると、まだ低い水準です。
上に掲載した図の通り、そんな中で不妊治療は増加し、体外受精によって誕生した赤ちゃんが占める割合は年々増加していることがわかります。
また、不妊治療が増加した結果、多胎妊娠も増えています。
朝日新聞 2011(平成23)年3月3日付け
この記事の中で、「不妊治療を続ける患者が増えるので、日本では多胎児の出生率は高くなる」という見通しが述べられています。
また、人工授精は排卵誘発剤の副作用として、多胎妊娠の可能性が高くなることもわかっています。
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三つ子の妊娠が判明した時に気を付けること
三つ子を自然分娩で出産する確率は、皆無ではありません。
日本産科婦人科学会の調べによると、自然妊娠で三つ子を出産した割合は19.6%。
およそ三つ子の5組のうち1組が自然妊娠によるということですね。
また、平均分娩週は32.7週ですからほとんど早産です。
ちなみに、
正規産・・正常な出産の時期で37週0日〜41週6日まで
早産・・22週0日~36週と6日が経過する間に出産すること
となっています。
双子の出産の場合は42.2%が早産、三つ子になると85%が早産という結果が出ています。お腹の中で大きくなりすぎると出産するのが大変ですから、少しでも母体の負担を減らすために帝王切開などが選択されることも多くなるのでしょう。
多胎妊娠の管理シリーズ(日本産科婦人科学会)
四つ子以上になると自然妊娠は無いので、とにかくレアケースであることがわかります。
上記のように多胎妊娠は、早産の可能性が高くなり、出生時の体重も軽いため、発育不全や新生児死亡などのリスクも高くなります。
また、母体に起こる高血圧や低血圧を発症する可能性も高くなってきます。
胎児一人あたりの体重は、単産と比べて少なくなりますが、胎児が多いので妊婦さんとしての生活も大変になります。
妊娠から8週間が経つと、多胎妊娠かどうかが判明するので、早めに対策を行いましょう。
まとめ
一時期に比べて子供の出生率は改善されつつあります。
それにも増して不妊治療が進んできたことにより双子、三つ子、四ツ子など多胎の数が増えています。
日本における三つ子の自然分娩の確率はかなり低いことを記事内で紹介しましたが、それに比べて不妊治療の場合は三つ子を妊娠する確率も高くなっています。
不妊治療の増加の結果、三つ子を妊娠する可能性が高くなるいうことは、リスクを伴うものの、現在不妊治療を行っている、またはなかなか妊娠しなくて悩んでいる女性にとっては、むしろ朗報なのではないでしょうか。
なにはともあれ、三つ子だろうと元気な赤ちゃんが産めるような産科体制のますますの発展を望みます!
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