国連児童基金(ユニセフ)が、子供のいる世帯の所得格差についての報告書を作成しました。全41か国の統計結果を出していますが、日本は子供のいる世帯の所得格差ランキングでワースト8位にランクイン。子育て世代の所得格差が世界的にみても悪いことが明らかとなりました。
一方、このランキングで1位に輝いた子供のいる世帯の所得格差がもっとも小さい国はノルウェー。一体ノルウェーではどのような政策がとられているのでしょうか。日本と異なるところをピックアップしてお伝えしたいと思います。
子供のいる世帯の所得格差ランキング1位のノルウェー!お母さんにやさしい国ランキング1位でもあった!
ノルウェーといえば、北欧家具や冬のスポーツのイメージがありますが、実はママにとってもやさしい国なのです。「お母さんにやさしい国ランキング」というものがあるのですが、毎年母の日にあわせて行われている統計で、世界179カ国を対象に5つの項目を評価して作成されます。2015年、ノルウェーはこのランキングで見事1位を獲得しました。ちなみに日本は32位となっています(評価項目に「女性の政治的地位」というものがあり、日本はこれが140位と足をひっぱった形になっています)。
この結果は、子供のいる世帯の所得格差にも大きく影響していると思われます。日本では、女性が就職しても結婚、妊娠、出産をすることで仕事を辞めなければならない、または時短を利用する場合が多いですよね。これは、日本では子育てをする環境がまだまだ整っていない証拠ではないでしょうか。
ノルウェーではママが仕事が続けられるような環境が整備されています。それでは、日本とはどのような違いがあるのでしょうか。順に確認していきたいと思います。
ノルウェーでは保育園が充実している!
ママになると仕事が続けられない要因として「仕事の間に子供の面倒は誰が見るのか?」ということが最も深刻な問題でしょう。ご存知の通り、日本、特に都心では待機児童数がとても多く、働こうにも保育園に子供を預けるこができない状態です。
産休をとっているママであればまだ優先順位が高くなるので保育園を選ばなければ預けることは可能でしょう。しかし、出産を機に仕事をやめてしまった場合、子供を預けようにも優先順位が低くなってしまい仕事の面接に行くことすらできず悪循環に陥ってしまいます。
しかし、ノルウェーでは、妊娠出産を機に仕事を辞めるという人はほとんどいない上、その大部分が希望通りの保育園へ通わせることができるのです。これは、保育園が充実していて、様々な種類の保育施設があるからです。ノルウェーでは子供は地域全体で育てると言う文化が根付いているのです。とてもうらやましいですよね。
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パパの育児休暇が義務付け!
日本でも、積極的にパパも育児休暇をとるようにと奨励してきましたが、結局企業の考え方を大きく変えるには至らず取得率が低いのが現状です。一方ノルウェーでは、クオータ制がとられいて、育児休暇のうち14週は父親が育児休暇を取らなければならないと法律で定められています。もちろん育児休暇中は100%の給料が支払われます。日本では、育児休暇中は50%となっているので給与の面でも保障が厚いことがわかります。
クオータ制が導入されておよそ20年が経過しましたが、当初は2~3%だった育休取得率も今では90%を超えるまでになっています。今の日本の現状を考えるとノルウェーに20年分の遅れをとっていることになります。日本が本当に女性の社会進出を考えるのであれば法を制定するなどある程度強制力をもって行動していかなければ解決しない問題なのでしょうね。
まとめ
日本の子供のいる世帯の所得格差が悪いのは、明らかに子供をもった女性が社会復帰しにくい環境だからでしょう。女性の国会議員を増やすといった活動や企業での女性役員を増やすといった活動もだんだんと増えていってはいますがまだまだといったところでしょう。
今回の結果を契機にしてママが働きやすい環境づくりをさらに進めていっていただきたいなと思います。いつかは子供のいる世帯の所得格差ランキングで上位にはいるような国になってほしいですね。最後までお読み頂きありがとうございました。
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